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最高?の処分場

エチオピアに来ています。国連人間居住計画(UNハビタット)福岡本部と福岡市のNPO法人廃棄物管理アドバイザーネットワーク(代表は、松藤康司・福岡大学名誉教授)との事業を視察させていただいており、ケニア国キアンブ県から移動してきました。

首都アディスアベバ市の最終処分場は40ha、300万人と言われる人口が排出する1日3000tの廃棄物を受け入れており、最も高い部分はなんと50mと遠くからでもごみの山がよく見えます。

実は19年前にもこの通称コシェ処分場(コシェはごみの意)を訪れたことがあります。国連開発計画(UNDP)の「アフリカ-アジア  エコ・パートナーシップ・プログラム」に参加した東京の事務局として、事前調整のため各都市を訪問していました。当時のコシェはすでに高さ20mほど、ふもとに迫る住宅地の背後に丘のようにそびえ、汚水や臭い、メタンガス発生などの問題が指摘されていました。

大事故は2017年3月に発生しました。かねてより懸念されていたとおり廃棄物の山の一部が崩落し、処分場内で働く不法労働者(ウェイスト・ピッカー。再生可能なごみをより分けて生計をたてている)が住む小屋が巻き込まれ200人以上が亡くなりました。その後コシェ処分場の状況を改善するため、UNハビタットが日本政府の資金を得て、「福岡方式」という管理技術を取り入れた支援プロジェクトを実施しています。

その中で、一時は2000人もいたというウェイスト・ピッカーの一部が作業員として雇われ、1日500円程を支給されて、望ましい分別や安全管理を行っているとのこと。たとえ一部であっても、組織化されて給与を得られる作業チームがあるとそれなりの安定した秩序があり、処分場内を歩いても19年前よりはるかに落ち着きが感じられました。

「福岡方式」で微生物活性化による廃棄物の分解が進み土壌が改善された区域から、地面の定着と土地の復活段階に入り、花や木の植栽が始められています。(2019年7月1日)

事務局長 寺田恭子

 

処分場のふもとに迫る住宅街。本年6月10日にも数名が亡くなる崩落が発生した。
処分場のふもとに迫る住宅街。本年6月10日にも数名が亡くなる崩落が発生した

 

大崩落犠牲者の追悼に名前を入れた石が積まれたメモリアル
大崩落犠牲者の追悼に名前を入れた石が積まれたメモリアル

 

働く人々にコーヒーのデリバリーをする女性。1杯約20円
働く人々にコーヒーのデリバリーをする女性。1杯約20円

 

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