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萩支部が「日本近代工学の父」の伝記出版

 日本外交協会萩支部(池本和人支部長)がこのほど『近代工学の父 山尾家と山尾庸三』の増補改訂版を出版しました。全94ページの小冊子ですが、文久3(1863)年に井上馨、遠藤謹助、伊藤博文、井上勝と山尾庸三の5人がイギリスに密航留学した、いわゆる「長州ファイブ」の一人が山尾です。この密航留学は下関での外国船への砲撃のわずか2日後に行われました。

 庸三はロンドン大学ユニバーシティカレッジに聴講生として入学し、その後、留学後半にグラスゴーに移り昼間はネピア造船所に勤め、見習い工として工具を使用して技術を学びました。夜はアンダーソン・カレッジの夜間学級に通い、造船や化学の原理を学んだということです。

 帰国後、山尾庸三は工部省設置を主張、製鉄所、造船所を整備し、新橋―横浜の鉄道を開通させ、工学校(後の東京大学工学部)を創設しました。

 また庸三はグラスゴーの造船所で手話を見てから聾唖教育に情熱を注ぎ、盲唖教育の訓導院を開校し、聾唖教育の日本における基礎を築いた人物でもありました。

 同支部が以前出版した本に、新たに山尾家の子息から萩市に提供された数多くの遺品を参考に改訂したものです。自家出版で書店にはおいてないため、購読希望者は池本支部長にご連絡ください。(電話 0838・25・1838)