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日本外交協会の法人会員
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デリーの日々2

2度目のデリー滞在(2019年11月中旬~12月下旬)では、世界最悪の大気汚染(PM2.5汚染)の日々と寒い夜を体験した。

降雨なく、石炭を燃料とする工場の排煙、渋滞車両の排ガス、地方の焼き畑等も大気汚染の要因で、年間約250万人が亡くなるという。PM濃度500を超える日も少なくない。外交団地区でも400近く。まるで霧が立ち込めたようで、200-300メートル先は見えない。マスク必着、外出は滅多にできずアパートと大使館を往復する日々。WHOによればワースト14都市はすべてインド国内で、デリーは10位以内という。

12月中旬から夜間の気温は1桁となり、暖房が不可欠。貧民街では夕刻夜間には、いたるところで焚火の煙が上がる。アパートには小型のオイルヒーターがあるも旧式で効かない。部屋は広く、天井は高く、床大理石の住まいは素晴らしいが、汚染に遮られ、陽は差さず、一日中ひんやりとしている。夜も暖房と空気清浄機を付けっぱなしにして、セーターを着てマフラー巻いて寝る。

汚染数値が136の比較的穏やかな日の午後、カメラを持って外出した。徒歩で15分ほど、日用雑貨マーケットの裏側に野菜とフルーツの市場がある。デリーに暮らす庶民と接する数少ない機会がここにある。果物が豊富で大変安い。外出がうれしかったので、リンゴ数個、ミカン数個、バナナ12本1束、スイカとピーナッツを買った。それでも、全部で400円程。新鮮でおいしかった。

コロナ禍インドの悲惨さは、とても悲しい。だが、外出規制等のコロナ対策で大気汚染が一変し、格段に改善したという。超過密都市で格差社会の著しい首都デリーでは、経済急発展の中での極端な長所と短所、正と負の遺産のコントラストを垣間見た。考えさせられることの多いデリーの日々であった。

庶民が利用する野菜果物市場

 

店の奥は住居となっている

 

ピーナッツ売る女性