公益財団法人JKAの平成27年度補助事業
として「開発途上国における防災技術分野の
人材育成と国際交流の推進」を実施しました。
日本外交協会では、2004年から2013年までに44台の消防・緊急車両をザンビアへ寄贈しています。ザンビアにおける車両のよりよい活用と防災力向上に向けて、防災技術指導の支援に踏み切りました。日本人技術者・専門家3名を首都ルサカに派遣し、コースⅠ「消防技術」およびコースⅡ「梯子車両の構造理解・メンテナンス」に分かれて、計60名の現地消防職員等に人材育成プロジェクトを実施しました。そのうち約8割が地方からの参加者でした。
コースⅠ「消防技術」では、ロープを用い三重もやい結びを利用した救助や、建物屋内への進入消火訓練等を行ないました。講師の提案で、古ホースに砂利を詰めて作ったダミー人形を利用し、高い建物から要救助者を救出する訓練がより実践的なものとなりました。コースⅡ「梯子車両の構造理解・メンテナンス」においては、梯子車の操作方法、日常点検、定期メンテナンスの仕方等、車両をより安全に効率的に使用できるように講師が一つ一つ丁寧に説明をしました。
3月5日、地方の消防署を視察し、ンドラ市消防本部では当協会から寄贈した梯子車(梯子長さ15m)が配備されており、車両の点検および維持管理指導を行いました。また、カブウェ市にあるザンビア唯一の消防学校を表敬訪問し、ザンビア地方自治住宅省同校校長のヨナ・ムワル氏より学校について詳しく説明を受け、消防学校の現状について知ることができました。
3月9日、現地のインターナショナルスクールの小学生たちが見学に訪れ、研修生が講師の指導のもと一斉放水を行ない、研修の成果を披露しました。また、最終日にはルサカ市消防本部にて公開デモンストレーションを実施しました。
同じ分野で活躍する専門家および研修生がともに研修に取り組むことで、相互理解を深め、ラオス、ミャンマーと同様に民間レベルでの国際交流を進めることができました。研修生からは、「実践的でとても役に立つ研修だった。」「毎年研修を行なってほしい。」との声が多数寄せられています。また、講師からは、「現地消防職員の技術を誠実に受け入れようとする姿勢に感銘した。自身にとって非常に良い経験となり、またチャンスがあれば参加したい。」とのコメントをいただきました。
最終日、修了式においてザンビア地方自治住宅省を代表してチャールズ・カピム・チサンガ氏およびルサカ市消防署署長ローレンス・トゥビ氏が、御礼の言葉を述べつつ、「研修生には今回の研修で学んだ技術を職場に持ち帰って現場で活用してほしい。」と研修生に対して呼びかけていました。
2016年2月28日~3月11日ザンビア共和国・ルサカ市消防署において、日本人専門家3名(茅ヶ崎市消防本部2名、株式会社モリタテクノス1名)にご協力頂き、コースⅠ「消防技術」およびコースⅡ「梯子車両の構造理解・メンテナンス」に分かれて計60名の現地消防職員等に人材育成プロジェクトを実施しました。日本外交協会では、2004年から2013年までの間に44台の消防・緊急車両等をザンビアへ寄贈しています。そのうち4台の消防車を茅ヶ崎市消防本部より供出いただいていることから、それら車両の取扱いに熟練した職員の方々に今回指導をしていただきました。研修内容は、コースⅠではロープや梯子を利用した救助方法、正しい放水の仕方、ポンプ車運用方法等、コースⅡでは梯子車の操作方法、車両の構造理解・メンテナンス等でした。同じ分野で活躍する専門家及び研修生が交流を通じて相互理解を深め、民間レベルでの国際交流を実現することができました。