一般社団法人日本外交協会のリサイクル事業として、7月31日から11日間2021年度在チリ日本大使館ODA「草の根・人間の安全保障無償資金協力」で南米のチリ共和国タラガンテ消防隊へ寄贈したはしご車の取り扱い・メンテナンスのために現地研修を実施しています。
本事業は地震や津波といった防災分野における相互協力を深める日本とチリとが2022年で外交関係樹立125周年を迎えたことを踏まえ、在チリ日本大使館を通じて首都圏タラガンテ地区にあるタラガンテ消防隊より寄せられていた救助及び消火活動に必要な機材の支援要請に対して、京都中部広域消防組合(京都府、(亀岡市、南丹市及び京丹波町2市1町で構成される自治体))から無償供出を受けたモリタ製30m級はしご車を再整備のうえ、日本大使館ODA「草の根・人間の安全保障無償資金協力」により寄贈をするものです。
研修実施においては、はしご車のドナー自治体である京都中部広域消防組合より片野克重さん、東 晃平さんの2名の現役消防士を、またかねてより弊協会事業へのご理解をいただいている(株)モリタ整備部門の(株)モリタテクノスよりエンジニア小川貴司さんをそれぞれ派遣いただき、チリ国消防学校のご協力も得て、同学校を会場として、やる気に満ち満ちて目を輝かせるタラガンテ消防隊計22名と一緒にトレーニングを開始しました。
チリは日本との時差がマイナス13時間あり、南半球に位置することから季節が逆になるため、7月~8月の時期は日本の暑さとは無縁の冬にあたります。朝晩は肌寒い程度で、日中は太陽がでると程よく暖かく研修には何ら支障のない環境下で日本とチリの消防に携わるプロフェッショナル同士の熱い交流がスタートしました。
本プロジェクトを振り返ってみると、準備を開始した昨年4月以降、左ハンドル付け替えを含む整備の工程や、特に、輸送船の確保には、COVID-19や半導体不足といった世界的な物流の混雑が続いたことから大変苦労し、今年4月ようやく輸出が叶い、無事到着の後で今回の研修実施に至りました。この場をお借りして、本件実施のために寛大なご理解とご協力を頂戴している国内自治体、協賛・取引先企業の皆様へ心から御礼申し上げます。
はしご車の各機能を説明する京都中部広域消防組合 消防本部 消防課 片野克重 消防司令
熱心に説明を聞き取り、質疑をするタラガンテ消防隊
はしご車の操作手順を説明する京都中部広域消防組合 消防本部 東 晃平 消防司令補
ポンプの操作方法説明する(株)モリタテクノス東京支店 小川貴司 エンジニア