8月4日(金)、2021年度在チリ日本大使館ODA「草の根・人間の安全保障無償資金協力」によりタラガンテ消防団へ寄贈したはしご車の引渡式が行われました。
引渡式の際には直前に行った実技研修の成果も披露されました。式には寄贈を受けたタラガンテ消防団リカルド・カラスコ・ペラルタ長官、寄贈資金を供与した在チリ日本大使館 渋谷和久 特命全権大使、上岡崇之 書記官、またチリ全国の消防団組織からフアン・カルロス・フィールド・ブラボ会長、タラガンテ市カルロス・アルバレス・エステバン市長、チリ陸軍アルバロ・アバルカ・オルテガ中尉、消防署の改築資金を寄付されたフランシスコ・レイトン・フランシオネ氏ら地域の関係者が多く参加しました。
式では渋谷大使からはしご車が地域住民の安全に役立つことを期待するスピーチが行われたほか、タラガンテ消防団から5日間はしご車の研修指導員を引き受けてくれた京都中部広域事務組合 片野さん、東さん、(株)モリタテクノス 小川さんに対してそれぞれ記念品が贈呈されました。
式の最後を締めくくるデモンストレーションでは、はしご車の一連の所作を適格且つ迅速にキビキビと行う隊員たちの雄姿を見届けた日本からの指導員が思わず涙する場面も見られ、短期間で見違えるほど成長した隊員たちに対して参加者から大きな拍手が送られました。
一週間の研修を振り返ってみると、技術や知識を希求するタラガンテ消防隊員と日本側の指導員とが一層真剣に向き合い、打ち解けていく中で、使命感を共有する者同士が言語の壁を越えてコミュニケーションを行う場面が幾度も見られました。
チリの消防団(Bomberos)は各地域のボランティアにより運営されていますが、救急業務を除いて、その活動や組織体制、取り組みの度合いは日本の常備消防と変わりなく、消防団が地域一体となり日常生活の中に溶け込んでいると感じました。
今回の研修を通じて、直に人から人へ研修を行うことの効果を肌で感じることが出来ました。また、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の引渡式において日本の中古消防車両が、まるで家族の一員が帰って来たかのように歓迎されている寄贈現場を目の当たりにし、この支援事業の意義を再認識しました。
改めまして、このような支援事業を実施できたことを大変光栄に思います。
この場をお借りして、事業のご縁を頂いた在チリ日本大使館、寄贈品となったはしご車の無償供出並びに研修ために職員を派遣して下さった京都中部広域事務組合、はしご車の専門整備と職員を派遣して下さった(株)モリタテクノス、そして国内外で本事業実施のためにご協力をいただいた全ての皆様に対して深く御礼を申し上げます。
なお、在チリ日本大使館のホームページにも式の様子が広報されていますので、併せてご覧ください。URL: https://www.cl.emb-japan.go.jp/files/100541219.pdf